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2019年

<問1> 以下の説明文に対応する育種方法を答えよ。

1-1. ある品種をそのまま利用。または名前を変えて利用。

1-2. 遺伝的変異をもつ集団から育種目標にかなった形質を備えた個体を選抜して新品種を作る。

1-3. 雑種集団から希望のものを選抜・固定して優良な品種を育成する。

1-4. 雑種強勢を利用する育種。

<問2> イネ科野生植物の栽培化に伴って起こる性質の変化を三つ挙げよ。 

<問3> 突然変異育種では人為的処理によって突然変異を誘発し、目的形質を示す個体を選抜する。

3-1. どのような変異原で処理すると効率的に突然変異を誘発することができるのか記せ。

3-2. また、突然変異によって生じ得るDNAの変化を全て示せ。

<問4> 倍加半数体に関する次の問いに答えよ。

4-1. コムギの倍加半数体を作出する方法を述べよ。

4-2.倍加半数体の利用による利点を述べよ。

<問5>下記用語について概説せよ。

5-1. 質的形質

5-2. 量的形質

5-3. DNAマーカー

5-4. ゲノム

<問6> 1960年代にコムギやイネで推進された①緑の革命において、育種学は新品種の開発を通して貢献した。緑の革命の成果は世界中に普及したものの、収量増を達成するためには多大な資源を投入する必要があることから、環境への負荷が大きい。②地球規模の気候変動下において、持続的な農業生産を確保することは世界が共有する喫緊の課題である。

6-1. 下線部①に関して、コムギやイネの新品種で利用された形質の特徴を記せ。

6-2. 下線部②に関して、今後の育種学が取り組む課題と方向性を述べよ。

2020年

自分が育種家になったつもりで、「育種計画」を提案してください。

  ・どの遺伝資源?

  ・どんな育種課題?

  ・どういった手法?

  ・どんな期間で?

  ・どんな場所で育成する?

  できるだけ具体的に、未来志向で、柔軟な発想で!

 

>評価ポイント

  ①育成する品種に新規性はあるか

  ②課題に現実的に向き合っているか

  ③講義内容を理解しているか

* A4、2枚以内

2021年

<問1> 以下の説明に対応する育種方法を答えよ。

1-1. 自殖性植物において集団中から優良な純系を選抜する育種法。

1-2. 初期世代は無選抜で後期世代から選抜を開始し、系統栽培に移す方法。

1-3. 初期世代から選抜しその後の世代で系統選抜、個体選抜を行う方法。

1-4. 供与親の持つ優れた形質を受容親へ導入するため繰り返し交配する方法。

1-5. 人為的処理によって突然変異を誘発し、目的形質を示す個体を選抜する方法。

<問2> 野生植物の栽培化に伴って起こる形質変化を三つ挙げよ。また、栽培化によって生じるびん首効果について説明せよ。

<問3> 遺伝資源の定義を述べよ。また、ジーンバンク事業で遺伝資源を収集、評価、保存する意義を説明せよ。

<問4> 育種年限の短縮につながる技術を二つ示し、それぞれどのように貢献するのか説明せよ。

<問5> 2015年9月の国連サミットで持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)が加盟国の全会一致で採択された。2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す17の目標から構成され、地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓っている。17の目標のうち、目標2「飢餓をゼロに」、13「気候変動に具体的な対策を」、15「陸の豊さも守ろう」について農学が果たす役割は大きい。特に目標2.4では「2030年までに、生産性を向上させ、(a)生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象現象、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する(b)適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。」とあり、育種学が貢献できる部分は多い。

5-1. 下線部(a)に関して、単位面積あたり収量が向上した新品種を開発するために重要となる形質を挙げて具体的な育種方法を述べよ(作物を一つ選ぶこと)。

5-2. 下線部(b)に関して、気候変動に対応した持続可能な農業の実現に向けて今後、育種学が取り組むべき方向性を述べよ。

2022年

<問1>以下に示す育種の過程を正しい順に並べ替えよ。

 選抜、固定、変異拡大、育種計画、現地試験

<問2>他殖性植物が持つ他殖を促進する機構を4つ示せ。

<問3>木原均が提唱したゲノムの概念を述べよ。また、ゲノムの分子実体は何か簡潔に説明せよ。

<問4>質的形質と量的形質の違いについて例を挙げて説明せよ。

<問5>プレブリーディングについて例を挙げて説明せよ。

<問6>P1品種を一回親、P2品種を反復親として3回連続戻し交雑を行なったB3F1系統のP2品種の遺伝子頻度(%)を答えよ。

<問7>世界の人口は2050年までに100億人に到達する勢いである。人口増加に伴い、食糧生産の増加が必要だが、作物の成長に影響を及ぼす気候変動や病害といった課題に直面している。さらに、緑の革命以降急速に進んだ品種改良は①遺伝的侵食を引き起こし、遺伝的脆弱性という深刻な課題をもたらしている。長い時間のかかる育種過程を短縮させる画期的な技術として②スピードブリーディング(Speed breeding)法が注目されている。この方法は日長と温度を厳密に管理して植物の成長を格段に早める栽培技術である。この技術を駆使すると通常の温室栽培では年2回程度しか栽培できない春播き性コムギを年6回栽培することができる。6回の栽培において交雑を行うことも可能である。

下線部①に関して、育種の役割として何が重要だと考えるか述べよ。

下線部②に関して、最新技術を活用した新たな育種戦略を提案せよ。 

2023年

<問1>自殖性作物において品種Aと品種Bを交雑したF1世代の遺伝子型は全てヘテロ接合型になる。自殖を繰り返したF4、F5、F6、F10各世代におけるホモ接合型の遺伝子型頻度(%)を答えよ

<問2>品種の定義として多様な植物で共通するポイントを3つ示せ。

<問3>遺伝資源を収集し、保存している施設をジーンバンクという。ジーンバンクに保存されている膨大な点数の遺伝資源の中から効率的に目的の形質を示す系統を見つけるためにどのような取り組みがなされているか答えよ。

<問4>分類学的に遠縁の植物間で交雑を行うことを遠縁交雑という。遠縁交雑を行う際に問題となるのが受精前後の生殖的隔離である。受精前隔離の一例を示し、それを克服するための方法を記せ。

<問5>戻し交雑育種におけるDNAマーカーの重要性を説明せよ。

<問6>生物の分類階級として対応する和名を答えよ。

<問7>以下の文章を読んで各問いに答えよ。

次世代シーケンサーの開発により、DNA塩基配列解読にかかる時間やコストは格段に少なくなった。このため、多くの品種や系統の①遺伝子型の違いを明らかにすること(ジェノタイピング)は容易になった。特定の種における全ての系統のゲノム配列を解読しようとするパンゲノム(pan-genome)プロジェクトも進行中である。一方で多数の系統の表現型を解析するフェノタイピングにかかる労力は決して少なくない。特に環境が変動する②圃場レベルでのフェノタイピング技術の改良は今後の課題である。

問7-1 下線部①に関して、遺伝子型の違いとして認識されるDNA多型を3つ答えよ。

問7-2 下線部②に関して、何が課題なのか示した上で、どのような点を改良すれば育種の効率化が図れるかアイデアを提案せよ。  

​2024年

​<問1>自殖性作物(例えばオオムギ)の交配手順を正しい順に並べ替えよ。

a. 穂の選定, b. 受粉, c. 雌親の除雄, d. 収穫と雑種性の検定

<問2>遺伝子座と遺伝子型の違いを説明せよ。

<問3>戻し交雑育種の過程で使用するDNAマーカーは①何を識別することで②何を選ぶために用いるか簡潔に答えよ。

<問4>自殖性作物の異なる2品種間で交雑をしたF1個体について自殖を続けるとヘテロ接合型の遺伝子型頻度は世代を経るごとに1/2ずつ減少する。ホモ接合型の遺伝子型頻度を99%以上にするためには少なくとも何世代まで自殖を繰り返す必要があるか答えよ。

<問5>ゲノム編集技術を簡潔に説明し、従来の突然変異育種との違いを説明せよ。

<問6>以下の文章を読んで各問いに答えよ。

現在、世界の農地はごく少数の高度に改良された作物(コムギ、イネ、トウモロコシなど)の栽培で占められている。一方で、長い年月をかけて①各地域の環境に適応した野生種や在来種の利用は限定的であり、遺伝資源の枯渇が問題となっている。環境負荷の大きな農業生産体系は生態系を劣化させ、農業生産力の低下につながるため地域社会の安定的な生活と食料安全保障を脅かしている。こうした問題の解決には自然を回復し、②自然と共存できる農業システムの構築が不可欠である。

問6-1 下線部①に関して、未利用の遺伝資源を活用する方策を述べよ。

問6-2 下線部②に貢献するための育種技術・戦略を提案せよ。

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